多目的トイレや優先席を利用してもいいですか?

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あきれるくらいに心身ともに健康だ。たまには病気で寝こみたいなんて思う時もあるけれど、インフルエンザにでもかからない限りなんとか動けてしまう。まあ、贅沢な悩みというもので、そんなことを言っていると、心身に問題のある人から地獄に落ちろと言われても仕方がないと思う。もしくは、トイレに落ちろとか。


多目的トイレというのがある。誰でも利用できると書いてある。しかし、健康な人の中には使ったことがない人も多いんじゃないだろうか。たとえある程度、ウンコが漏れそうだったとしても。なんとなく、利用してはいけないような気がしてしまう。

通常のトイレの個室がすべて利用中で、多目的トイレしか空いていなかったとしよう。健常者であっても、そうでなくても、ウンコモレビリティは同じ程度のはずだ。具体的に数値化して考えよう。仮にウンコモレビリティの単位をmore chance(漏れチャンス)とする。障害者のウンコモレビリティがone more chance(1漏れチャンス)だとすると、健常者のウンコモレビリティもone more chanceのはずだ。季節ようつろわないで。

通常のトイレが空いておらず、多目的トイレを利用しないというポリシーを持っているのであれば、別のトイレを捜すことになる。向かいのホーム。路地裏の窓。こんなとこにあるはずもないのに。そうしているうちに、通常のトイレには人が並んでいく。おそらく個室に並ぶ人の分布はポアソン分布に従うので、並ぶときには何人も並ぶ気がする。そこへ障害者が現れる確率を考えると、素直に多目的トイレを使うべきだと思う。


まあ、トイレなら自分が辛いだけなので、個人のポリシーに任せるということでいいだろう。ところが、地下鉄や電車となると話が変わる。大抵の車両には優先席が設けてある。優先席なので優先順位が決まっているだけで、誰でも座ることができるわけだが、これもまた心身ともに健康だとなかなか座りづらい。

優先席が空いているにも関わらず、立っている人が多いという光景をよく目にする。この状況は満員電車であっても変わらない。乗車率100%を超えた車内で、押し潰されそうになりながらふと優先席を見ると、そこだけポッカリと空間ができている。この状況であれば、近くの人が座ることで空間に若干のゆとりが生まれる。多目的トイレは個人のポリシーに従うとしても、満員電車の優先席は積極的に座るべきだ。優先されるべき人が乗車してきたら、さり気なく気づかれないように立てばいい。


何もない空間であれば、まわりのモノが流れこんできて、しだいに埋められていく。まわりが高密度なのにも関わらず、空間が埋まらないということは、その空間は別の何かで満たされているのだろう。空間を満たすものが善意であればよいのだけれど、満たしているものが居心地の悪さだとすれば、車内の空間デザインを再考すべきなのかもしれない。

きちんと配慮をしていれば、多目的トイレを利用しても構わないし、優先席に座っても構わない。満員電車の例のように、誰かが利用しなければならない状況もありうる。世の中にはスシが苦手な人がいる。それならば、よろこんで僕が彼のスシを食べよう。