大きなナン

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はじめてインドカレーの店に入るとき、かなり覚悟を決めて入ったことを覚えている。立看に示された値段は許容できるものだったが、味に関しては完全に未知だった。それに、外国人のやっている店というものを経験したことがなかった。結局、おいしいカレーと予想以上に大きなナンに満足して、その後なにかと機会があるたびに食べに来ることになる。ナンが大きかった。

良くも悪くもいったん経験してしまうと、他の店にも入るハードルは大幅に下がる。いくつかの店でカレーとナンのセットを食べるにつれ、どの店もナンが大きいといことを知った。考えてみれば、ナンをある程度大きくしたところで原価はそれほど変わらないような気がする。であれば、他店のナンが大きければ、それに追随するという戦略も考えられる。

知らないうちにナンの大きさはしだいに大きくなっていっているのかもしれない。気づいた時にはあまりの大きさに、なにがナンだかわからないという事態に陥っている可能性もある。競合が4つの機能を持っていたら5つの機能を搭載するというワンアップの戦略にはデメリットが多い。機能をひとつ増やす代わりにひとつ減らせ、と37signalsは言う。それが少ないリソースで相手を打ち負かす方法だと。

そこまで思考を巡らせたところで、ナンは大きくなっていっているのではなく、そもそもあれが標準的なサイズなのかもしれないという気がしてきた。ナンだかよくわからない。気分転換にランチにでも行こうかと考えるが、数日前に食べたカレーにはあまり魅力を感じない。どちらかと言うと、スシが食べたい。