信用力は林檎ステッカーに宿る

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信用されてないんだなあと感じる時がある。自分の発言や行動が裏目に出る。やることなすこと、すべてにおいて裏目に出た時期があった。全部そのまま放置している。いまは信頼を回復すべく、もちろんそれが最終目標ではないのだけど、とにかく前に進むだけだ。

当時、iPhoneを使って物々交換をするアプリを開発していた。そのアプリのDNAを受け継いで、個人間で売買を行うアプリが生まれた。ちょうどそのころ、海外ではGumroadというデジタルコンテンツの売買プラットフォームが登場していた。

個人間の取引となると、信用の問題が持ち上がる。決済システムを導入してクレジットカードや銀行口座を抑えておくと、それなりに信用があると見なせるのだろうか。だがそれは、身元の保証と、金銭を支払う能力があるという信頼力でしかない。個人間取引において必要な信用というのは、相手がルールを守るかどうかであるはずだ。

相手がルールを守るかどうか。それの目安となるのがヤフオクやAmazonのマーケットプレイスでの取引相手による評価である。星の数が多いと信用力があるとみなされる。身元がハッキリしているとか、お金を持っているとかではないということだ。そう言えば、「彼にお金を貸すくらいなら海に捨てたほうがマシだ」という、ひたすらにヒドイ英語の例文を思い出した。

半年ほど前から、お金に変わる信用力のバロメーターがあるんじゃないかと模索している。模索していると言ったものの、半年のうちに40分間くらい考えただけなんだけど。

Apple社の立場に立ってみよう。Apple社の実態は宗教法人なので、教徒たちは新製品が出るたびにそれを買い求める。Apple製品を購入すると、必ずAppleのステッカーが同封されている。熱心な教徒ほど多くのステッカーを保有していることだろう。

お金を持っている人が、製品を買うわけではない。欲しい人が製品を買うのだ。Appleからすると、経済力の高い人ではなく、お金はなくとも製品を買ってくれる人こそ信用できると言える。製品購入率とステッカーの保有率に正の相関関係があるとすると、かじり林檎のステッカーを持っている人ほど信用力が高いことになる。

これまた半年ほど前から、Appleのステッカーを通貨として流通させられないか模索している。模索していると言ったももの、半年のうちに50分間くらい考えただけなんだけど。

Appleがステッカーの保有枚数に応じてクーポンを発行する。しかも、ステッカーには発行年月が記載されており、古くなるにしたがって引き換えられるクーポンの割引率を引き下げる。これはシルビオ・ゲゼルの自由貨幣からヒントを得ている。使わなくなったApple製品は、ステッカーと引き換えに誰かに譲り渡す。ステッカーは保有していても価値が下がるだけなので、そのステッカーを使って新品もしくは誰かが保有しているApple製品を購入することになるだろう。

Apple製品を安く買いたい人はステッカーを欲しがるだろう。一方で、当分買い換える予定がない人はステッカーを保有しておくメリットがない。そこで、ステッカー4枚で回転寿司をおごってもらうといった取引がなされるようになる。

今、手元に8枚のステッカーがある。スシが食べたい。